『ワンダーランズ ~タイニー・ティナと魔法の世界』開発者日記#2 - 味方、敵、そして火力

ヒーロー、大悪党、銃、装備などについて開発者からの裏話をご紹介!

上記の最新トレーラー「ワンダーランズへようこそ」で、フェイトメーカーのスペルショットクロウブリンガーのクラスをご紹介!

世界最高のバンカーマスターとして、ティナは素晴らしいロールプレイには設定よりもはるかに重要なものがあることをよく理解しています。ただワンダーランズのような奇抜な世界を作り上げて、はい、おしまい!というわけにはいきません。ハチャメチャなファンタジーアドベンチャーに欠かせないものといえば、ヒーローの団結、圧倒的な兵器と強力な魔法、そして世界を征服すべく無限に押し寄せる極悪非道なボスが率いる悪の勢力です!

あなたは女王の国をとある悲劇から救うために、ティナが考えた奇想天外な作戦にフェイトメーカーとして身を投じることになります。冒険の舞台やそこに待ち受ける試練を用意するのは彼女ですが、ワンダーランズを救うのはあなたです。

みなさんも『ワンダーランズ ~タイニー・ティナと魔法の世界』開発者日記の最新記事で、ワンダーランズを細部に至るまで作り込んだ開発者たちによる裏話をお楽しみください。今回は、ティナのテーブルを囲む仲間のプレイヤーたちとあなたの勝利を阻もうとする大悪党のドラゴン・ロード、そして彼を倒すのに役立つ強力な武器をご紹介します。  

テーブルメイト

様々なTRPGと同じく、「バンカー&バッドアス」でのロールプレイは複数人でプレイすることを想定しています。結局のところ、時には互いに全く相容れない野心や考え方を持つ冒険者たちが協力し合ってこそ、クエストというものは本当に生き生きとしてくるものです。『ワンダーランズ ~タイニー・ティナと魔法の世界』では、あなたをどうしても自分たちの側に引き入れたいテーブルメイトのバレンタインフレッテが登場します。この2人の旅人はたまたま近くで遭難したために、ティナのメチャクチャなキャンペーンに参加する羽目になりました。

『ワンダーランズ ~タイニー・ティナと魔法の世界』のリードライターであるサム・ウィンクラーは、ティナはどこにでもいると言います。「彼女はゲーム内のどこにでもいて、プレイヤーが行うことは全て彼女の手助けによるものか、あるいは彼女が原因で起きた出来事ということになっています。そのため、プレイヤーとティナしか登場しないように感じるゲームでは、すぐに飽きられてしまうと考えました」 

冒険に出るあなたをサポートするため、バレンタインとフレッテはティナがあなたにどんなことを投げかけても対応できるように最善策を考えてくれますが、基本的に2人の意見はほとんど正反対です。

バレンタインはゲームに関する知識があまりなく、B&Bのルールにもなじみはないようですが、それを補って余りあるほどの自信過剰なまでの度胸と勇猛果敢さを持ち合わせています。一方、フレッテは逆にB&Bの表裏を知り尽くしたゲーマーであり、ロールプレイを完全に無視してでも無敵の殺人マシンと化して最大限に効率よく物事を進めていこうとします。2人は冒険の過程を通じて様々な提案を出してきますが、あなたの選択次第で彼らが一喜一憂することになります。

「フレッテとバレンタインはあなたの主人ではないので、指図をしたりはしません。あなたはフェイトメーカーであり、名前の通り運命の選択をするのもあなたなのです。フレッテとバレンタインにはそれぞれ考えがあり、何らかの提案をしてくることもあります。あなたの行動に賛否を示すこともあるかもしれません。私たちは2人のそうした言動でその場の空気を軽くしたいと考えました。また、プレイヤー同士やプレイヤーとゲームマスターとの間にある様々な関係性浮き彫りにする手段として用いたり、あるいは単に実況中継のように可能な限り多くの情報を皆さんにお伝えするような役目を担ったりもします」

フレッテとバレンタインが天使と悪魔のように両肩の上に浮かんでいるような構図は、友人たちと実際に集まって行なうにぎやかなロールプレイが生み出すあの紛れもない魔法の瞬間を再現したものです。現実世界がCOVID-19のパンデミックによって変わってしまってからというもの、そういう機会はめっきり減ってしまいました。

「2020年の夏に、テーマごとの目標についてチームで話し合ったことを覚えています。ですが、誰もが離ればなれでものすごく遠くにいるように感じていました。みんな他の人たちとのつながりを保つための方法を仕事だけでなく、人生においても探していました。そんな時に、友人たちから『オンラインでボードゲームをプレイするようになった』という声を広く耳にするようになりました」

「多くの人たちがボードゲームによって孤独感を癒されていました。そこで『ワンダーランズ ~タイニー・ティナと魔法の世界』では、人と人との結びつきを生み出すボードゲームの魅力を盛り込みたいと考えました。意見が食い違って異なるプレイスタイルを選ぼうとしていても、一緒にゲームをプレイして同じ体験を味わいたいと感じている友人同士のような存在として、ヒーローたちを登場させたのです。結果的に、相反する目標を持つメンバーが集まることで、テーブルに着いている誰一人として予測できないことが起きることもあります」

ドラゴン・ロードを倒せ

偉大な冒険者は必ず手強い悪党に立ち向かって勇気を試すものですから、ティナは疑いようのない大悪党であるドラゴン・ロードにあなたを立ち向かわせます。すねに傷を持つ(ただの比喩です。実際には彼のミニチュアは新品同様です)この強力なネクロマンサーはひどく好戦的です。サムによれば「ドラゴン・ロードには様々な要素が盛り込まれています。最初は彼を“ジェネリックな悪党”のように感じるでしょう。『ドラゴン・ロード』などという、ランダムな名前ジェネレーターで生み出されたような名前で呼ばれているのはそのためです。物語を進めていく中で、なぜ彼がそんな風になったのか、そしてなぜティナがそんな風に彼をデザインしたのかを解き明かしていってもらえればいいなと思います」とのこと。

ドラゴン・ロードは、ティナが後押しする冒険者の一団によって何度その企みをくじかれようとも、決してあきらめずに敗北の連鎖を断ちきって形勢を逆転しようとします。このことについて、サムは「私たちは彼がこの世界の悪役として相応しい存在にしたいと考えていました。そのために、彼にはもう少し踏み込んだ自意識を持たせる必要がありました。彼はこのゲームの世界において『自分はゲームの世界の住人だ』という意識を持つ数少ない登場人物です。そのため、彼とティナは争いが絶えない関係にあります。もちろん、ライターとして自分が生み出したキャラクターと自分との関係を話してみたくなる気持ちがそこに含まれていなかったと言えば、嘘になります」と話します。

ファンタジーにおける銃

フィアラミッドの頂点にあるドラゴン・ロードの拠点に無事にたどり着きたいなら、は絶対に必要です。それもたくさんの。ティナは戦場に鉛の雨を降らせたいと考えており、プレイヤーはそんな彼女が作ったルールに従わなければなりません。そのため、ワンダーランズで出会う数多くのモンスターにダメージを与えるには主に銃火器を使うことになります。どの銃も多種多様な交換パーツから成り立っており、雪の結晶のごとくまったく同じ銃を見つけるのはほぼ不可能です。 

このことについて、『ワンダーランズ ~タイニー・ティナと魔法の世界』の武器のリードアーティストであるアジア・ホーキンスは「銃の部品をいろいろ組み合わせることができる複雑なシステムを作り上げることができたと思います。私たちは無限の可能性を強調するために、リアリズムと様式美をうまく混ぜ合わせようとしました。そのために、まず魅力的なシルエットができあがったことを確認してから、アイデアを膨らましていきました。その過程で“これはやりすぎでしょ”と思ったことはありません。この世界では、やりすぎなくらいがちょうどいいんです」と話します。

架空の製造者によって作られた様々なバリエーションの銃が登場し、どの銃にも高い発射速度、爆発力、その他破壊の限りを尽くすために必要な機能など、独自の特性がついています。また、ご想像のとおり、銃のレア度は武器の威力を大きく左右します。銃の質が良いほど、属性ダメージがついている可能性も上がります。開発者の間で人気の特性のひとつが、『ワンダーランズ ~タイニー・ティナと魔法の世界』のカオスな世界観を如実に表しているピストル、アサルト・ライフル、スナイパー・ライフル用のアタッチメントであるクロスボウです。デカい銃にさらにボウガンを装着できる魅力を考えたら実用性を気にする人なんていないでしょう?物理的に道理が通らないものが出てきても“だって魔法だし”と言って流します。このゲームは魔法がすべてですから、その理屈で通用するんです」

細かいディテールも見逃さない

戦闘では銃や魔法、近接武器が大活躍しますが、その他の装備もキャラクターの強さや扱いやすさに大きな影響を与えます。攻撃から身を守り、さまざまなボーナス効果を与えてくれる結界は戦闘を生き延びるうえで欠かせない要素で、指輪やアミュレットは身につけることでお望みのステータスを上昇させることができます。戦闘の合間にアイテム確認画面を開き、ファンタジーの魅力がたっぷり詰まったそれらのアイテムたちをじっくり眺めるのもオススメです。

「結界は特に面白い要素で、かなりの手間をかけて作りました」と語るのはアジア。「結界は5つのテーマをもとにデザインされました。硬質なタイプのものから、もっと有機的なものもあります。どれも基本テーマがあり、そのテーマに沿うようなステータスブーストがつけられています。なかには皮膚や骨などを使った、不気味なネクロノミコン風の結界もあります。あとは歯車や銅、スプリングを使ったスチームパンク風の結界などもあり、中の機構を見ることもできるんです。また、キノコやイバラ、ドロドロした有害物質みたいな毒をもった植物っぽいものも登場します」

細部へのこだわりはワンダーランズのあらゆる要素に見られ、魔法詠唱時のエフェクトは特に注目です。「エフェクトを作る時は何度も修正をします。ゲーム内で見られるエフェクトで、一発でOKが出たものはほとんどありません」と言うのは、『ワンダーランズ ~タイニー・ティナと魔法の世界』のリードFXアーティスト、アシュリー・リヨンズ。「何度見てもカッコいいと思ってもらえるインパクトのある魔法は、チーム全体で4、5回は練り直した結果生まれたものである可能性が高いです。」

『ワンダーランズ ~タイニー・ティナと魔法の世界』で手掛けたさまざまなエフェクトのなかで、アシュリーにとって最も印象深いもののひとつが、多層構造になった洞窟やダンジョンの異なるステージに転送してくれるポータルです。「最初はただもやがかかっていて、周辺で雷が光るような効果だけで暗くていかにも邪悪そうでした」と、彼は笑います。「そのデザインが何か月もの作業でどんどん発展していって、最初の構想から細かい渦の効果がついたあの最終形に至り、自分が手掛けた部分のなかでもかなり自慢できる仕上がりになりました。正面から見ると3Dだけど、ポータルの横を通って後ろを見ると平面になっているものを作ることができたんです」

魔法のエフェクトをデザインする時は協力プレイも考慮しなければなりません。「魔法やエフェクトを作る時はド派手にいきたくて、皆できるだけ多くの要素をひとつの魔法に詰め込みたがりました」と、話すアシュリー。「いろんなものが魔法をベースとしているので、過去にあまり活用できなかったパーティクルシステムのカールノイズやベクターフィールドをもっと組み込むことができました。あらゆるGPUスプライトを取り入れたことで、魔法に躍動感を与えることができたんです。最初のデザイン案が決定したら少し客観的に見るようにして、4人同時に同じ魔法を使った時に画面がしっちゃかめっちゃかにならないようにトーンダウンする場合もありました。見た目のカッコよさと、プレイに適しているかのバランスを見つけることが大事ですからね」

2022年3月25日(金)の『ワンダーランズ ~タイニー・ティナと魔法の世界』発売日には、みなさんもバレンタインやフレッテと一緒にゲームテーブルに集まり、ドラゴン・ロードを倒す旅に出て、今回ご紹介したファンタジー感満載の銃や多彩な魔法を思う存分使いまくることができます! それまでは、『ワンダーランズ ~タイニー・ティナと魔法の世界』ゲームガイドや開発者日記の新着記事をチェックして、ワンダーランズでの大冒険に備えておきましょう!